「あたしのイスよ」 ’01年3月8日
寝ているユキです。
この藤イスはワープロ用のイスとして妻が買ったものです。
いわば妻専用のイスでした。
ところが、昨日のことなのですが、ワープロに疲れた妻が「お茶でも飲もうかな」と言って立ち上がった時のことです。
妻が3歩も歩かないうちに、すばやく走って来たユキがイスに跳び乗りました。
ザブトンの上にゆっくりと体を横たえたユキは、「やれやれ」というふうにちょっと首を曲げてから目をつむりました。
妻が湯のみを持って戻って来た時にはユキは前足で顔を隠してぐっすりと眠りこんでいるようでした。
妻は、「あらっ、ユキが・・・」と言っただけで、ユキが乗ったままのイスをそっとどかしました。
どかした後で妻は床にザブトンを置き、ワープロを続けました。
そして、今夜のことです。
妻が藤イスに座ってワープロをしていると、ユキがやって来てイスの周囲をうろうろしているのです。
うろつきながらも、時折ユキはちらっと妻を見上げていました。
それはまるで、『そこはあたしの席よ。どいてくれない!』と言って妻を非難しているようでした。
「あら、ユキちゃん、このイスに座りたいの?」と言って妻がイスから降りると、ユキはすぐにイスに跳び乗って横になりました。
そして、「やれやれ、やっとゆっくり眠ることができるわ」と言うふうに大きな口を開けてあくびをしました。